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向上心の誤解

皆さんこんにちは、先週は桜が綺麗でしたね。桜ってなんであんなに心が和むのだろう?とガラにもないことを考えながら、花見の名所を歩きました。

さて、今回は、「向上心」とか「モチベーション」を面接で評価する際の大きな問題についてお話していきます。

ほとんどの採用面接官は、これらの能力を要は「やる気があるかどうか」という乱暴に理解しようとします。面接官がやる気を感じるかどうかは学生の態度や発言で決まります。一般的に、(1)元気で声が大きく、(2)姿勢が良くさわやかで、(3)ユニークかつ大きな経験をしていると、いとも簡単に「よし!こいつはやる気がある!」と断言してしまいます。

でもこれは間違いだらけ、と言わざるを得ません。
私は経験上、「面接で、向上心があるように見えてしまう」原因のひとつとして、こんな風に考えています。

日本人として普段慎ましく自己主張の上手でない普通の学生が、志望動機の高い企業の面接では、その意欲の高さを「態度とプレゼン力」で3倍程度に見せることができる―

つまり善意の演出の世界なのです。実際の職場で面接官が部下のやる気を評価するときは、“実績”なのに、どうして採用面接では“自己PRや声の大きさや態度”しか見ないのでしょう。
これは、きっと新卒採用面接とはそういうものだ、という思い込みがあるに違いありません。

「所詮1時間ほどの面接を重ねても、最後は働かせてみなければわからないよ」
―これはこれで真実だと思いますが、一方で、社内の評価システムとそこで評価される人材を調達する採用における評価システムが全く違う、ということに誰も疑問を持たないことは大きな問題でしょう。

もちろん彼らは部下と違って、普段の姿を知らないので、実績を正しく評価することは無理でしょう。でも一方で、スキルを身につけた優秀なマネージャーであれば、本人の口からこれを聞き出し、評価することは可能です。

ただし、これは誰でも可能なわけではありません。人が好き、学生の採用が大好き、と言うだけの採用担当者には恐らく難しいでしょう。部下の育成で日頃から悩みに悩んでいるマネージャーであることが最低要件です。

さて最後に、「向上心」について触れておきましょう。表現はモチベーションでも、率先行動、自主性でもいいのですが、この能力(コンピテンシー)の高い人に共通するのは、「いつも自分に不満があり、自分より圧倒的にレベルの高い人と働くことを喜ぶ」ことです。つまりいつもコンプレックスを持っていることが当たり前なのです。

ですから、
いつも自分の実力や成果を自らも、上司からも欲しがり、それがモチベーションになっている人
劣等感を感じるような集団に自ら入ろうとはしない人

というのは向上心の高い人とは決していえません。こうした行動事実を、“学生までの生き方”の中から抽出し、評価できるかどうか、というのは大変高度な見抜き力が要求されるのです。

樋口弘和

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