
みなさん、こんにちは。今日は変化が激しく先が見えにくい時代において、特に20代後半から30歳代にかけて活躍する人材の要素について考えてみたいと思います。
IT化とグローバル化の進展に伴い、単純作業の価値が低下している昨今、ホワイトカラーの付加価値を追求するとどうしてもコミュニケーション能力に行き着きます。
ここでいうコミュニケーション能力とは、単なるおしゃべりのスキルではありません。多様な人間の価値観を理解し、それを受け容れたうえで協働する力のことです。
その一方で社会変化の影響なのか、協働体験を持ち、その重要性を理解している人材が年々減っているような気がしてなりません。
組織で生活するうえで、協働ができないとどのような問題が起こるのでしょうか?
まず組織人としての基本である「ホウレンソウ」が適切にできないという現象にあらわれます。
私たちから見ると、複数名で仕事を進める中で「ホウレンソウ」することなど至極当然の行為です。しかし協働体験の少ない人は、一つの目的を達成するためには、違う価値観を持つ他人と考えをすり合わせながら進めなくてはならない、という本質が理解できないのです。
このような人材は周りの人たちの要求や希望よりも自分のやりたいことに没頭する傾向にあります。むしろ周囲の声に気がついてすらいないことも多いものです。
見るからに職人気質で本人もそのことを自覚し、かつそうした職人気質が求められる仕事であればあまり問題にはならないことでしょう。
むしろ問題なのは、「一見協働ができそうな」人たちです。
こういう人を採用面接など短時間の会話の中で識別することはまず難しく、人あたりの良さと協働の能力を混同して捉えてしまうことがままあります。
そのため、入社後に「あれ?」ということになってしまうのです。
これを防ぐには話の内容が重要です。
学生であれば、仲良しグループではない多様な人材の中でのリーダーシップや調整経験の深さと複雑さや困難さから判断します。
職務経験者であれば、プロジェクトや人事管理そのものが題材になるでしょう。
性格的に面倒見が良く、いろいろなタイプの人と付き合うことを厭わない人がベストですが、実際にはこのような人は少ないので「役割として」協働できるかどうかが判断のポイントです。
社会で働く以上、私たちは(ごく一部の職種を除いて)協働作業から逃れることができません。自ら選べない上司や顧客をどれだけ広く受け容れ、良好なコミュニケーションがとれるか。
そこでは人材としての強さ、柔らかさ、向上心など全てのメタコンピテンシーが試されるのです。
そういう観点から「協働」が活躍できる人材の一つのキーワードだなと思っている次第です。
2010.5.20 樋口弘和